もし、あなたがお店を開きたいと思った時、インテリアデザインの他に、きっと、どんな外観にしようかなとも悩みますよね?
そして、その店舗正面(ファサード)のデザインを考える時に、あの美しいパリの街並みを思い浮かべる人も多いかのではないでしょうか?
フランスの首都、パリは、世界中から観光客を惹きつける美しい街として知られているのはご存知の通り。
そんなパリの街並みといえば、アベニューと呼ばれる大きな通りなどに沿って、6~7階建ての石造りのアパルトマンなどが並び、その統一された美しい建築デザインの風景は訪れる人々を魅了します。
パリの建築デザインは均等に並ぶ窓の配列とバルコニーが設置されいるのも特徴的で、これらの窓からは、通りの活気や美しい景色が楽しめるので、住む場合も特に上階は人気の階でになります。
バルコニーは、住民が街の雰囲気を眺められ、ファサードの一部として魅力を高めるデザインとも言えます。
そして、その1階にはカフェやパン屋、花屋などのショップがあり、パリの美しい街並みは、その独特なショップのファサードデザインによっても彩られています。
これらのデザインは、数世紀にわたる歴史と独自の文化から生まれたものでもあり、パリの街の魅力と個性を際立たせています。
ここでは、そのデザインの歴史や伝統の背景も探りながら特徴などご紹介していこうと思います!
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バロック様式からの影響
パリのお店のファサードデザインのルーツに、実はバロック様式からの歴史が大きく関係しています。
フランスでは17世紀から18世紀にかけて、バロック様式の建築が盛んになりました。
バロックとは「いびつな真珠」という意味をもつ「バロッコ」という言葉が語源になっていて、そのデザインが曲線や楕円が多く使われ、豪華な装飾があるのが特徴的でもあり、フランスではベルサイユ宮殿などが代表的な建築デザインではないかと思います。
そのデザイン様式の影響は、お店のファサードにも表れていて、ファサードにはしばしば華麗な彫刻や曲線を特徴とするデザインが見られます。特に、歴史的な建物や高級ブティック店などは、バロック様式の要素を取り入れた繊細なデザインを採用していることも多いです。
パリのファサードデザインは歴史的な建築物との調和を図るように作られており、パリは数世紀にわたって発展し、様々な建築様式が共存しています。
そのため、お店やカフェのファサードは、バロック様式の他にも、古典的なルネサンス様式やゴシック様式など、多彩な建築様式を組み合わせているのもその古くからの歴史がある街だからこそと考えられるのです。
アール・ヌーヴォーやアール・デコのデザイン
またやはりここはフランス。アール・ヌーヴォやアール・デコの影響もあります。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、アール・ヌーヴォーが芸術やデザインの世界中で広まりました。
パリでもこの運動が影響を与え、お店のファサードにもそのエレガントな特徴が現れ始めました。
アール・ヌーヴォーは、曲線的なデザインや自然のモチーフ、花や植物のモチーフを取り入れることで知られています。これらの要素は、パリの街に独自の魅力をもたらしました。
また1910年代半ばから1930年代に広まったアール・デコの幾何学模様を用いた表現や、直線的デザインも取り入れられている店舗も多くみられます。
このように、ファサードデザインにもその歴史的なデザイン様式の影響も多く関わっているのです。
パリのシンボル:カフェとベーカリー
パリの街並みには、カフェやベーカリーといった伝統的な店舗のデザインが並びます。
カフェは古くからパリの文化の一部であり、そのファサードにはテラス席や色鮮やかなパラソルの席も設置され、そこで語らう人々がゆっくりと過ごしたくなる時間となるような空間となり、さらに街のデザインを作っている場所でもあります。
フランスといえば、やはりベーカリー店は欠かせない存在で、美味しいパンやペイストリーを提供し、そのファサードはシンプルでありながら温かみを感じさせるデザインが多いです。
カフェとベーカリー店のファサードは、パリの街角でのくつろぎと文化の象徴として、また重要なデザインとして役割を果たしています。
ハウスマークとカラー
パリのお店のファサードには、ハウスマーク(店のシンボル)を示すための看板や装飾もつけられているのが印象的かと思います。
このデザインもパリの街並みに馴染むオシャレなものが多く、これは中世からの伝統であり、お店の種類やオーナーを識別するために使用されてきました。
これらのハウスマークは、お店の歴史やアイデンティティを示す要素にもなっています。
またパリのファサードは、多彩なカラーと素材も特徴的です。入り口にかかるオーニングにもオシャレなカラーやオリジナリティのあるデザインが施されていたりします。
石造りの建物の、その質感と風合いが歴史的な価値を表現し、その1Fにはお店の特徴となるカラーのあるデザインでファサードを作っているのも、素材やデザインが融合され、多様性のあるパリの街に溶け込んでいるようにも思えます。
街並みとのフレンドリーなデザイン
パリの街の人々は会話も楽しむ文化もあり、そしてフレンドリーな街として、お店のファサードデザインもその一環として考えられています。スタイリッシュでありながら歩道に向けられた大きな窓やオープンなデザインは、語らい合いながら街を歩行する人々と、活気ある街の雰囲気を共に感じることができます。
夜の賑わう街も、もちろん、そのオープンなデザインとファサードを照らすライティングに少なからず人々は惹きつけられているのだと思います。
まとめ
パリのお店のファサードデザインは、バロック様式やアール・ヌーヴォーなどの芸術運動からの影響や、カフェやベーカリーといった伝統的な店舗のデザイン、そしてハウスマークの伝統など、多くの要素が融合しています。これらのデザインは、パリの歴史と文化を反映し、街の魅力を引き立てています。
もしパリに旅行に行かれた際には、ぜひ、街を散策しながら、その街並みも楽んでみてくださいね。
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フランスに誰もが惹かれてしまう理由〜パリの街並み編〜