Marimekkoの誕生と
受け継がれていく
自然と寄り添うデザイン

marimekko

フィンランドのデザインといえばマリメッコが思い浮かぶ人も多いでしょう。そのデザインはとても身近な自然や動物をテーマにしているものが多いのも印象的です。マリメッコ誕生から60年以上経ってもその人気は衰えるどころか次々と新しいデザインが誕生しています。

なぜそのデザインは愛され続けるのか、歴史を振り返りながら魅力を紐解いていきます。

マリメッコのスタート

それは1949年、アルミ・ラティアの夫、ヴィリオ・ラティアが買収した業務用のオイルクロスとプリントファブリックを販売する会社『Printex』で後にマリメッコ の創業者となるアルミ・ラティアが働き出したことから始まりました。

アルミ・ラティアは1912年、カレリア地方のパルカヤルヴィ(Pälkjärvi)で商店店主の父と学校教師の母の元に生まれます。

その後、1935年にはヘルシンキの学校を卒業し、テキスタイルアーティストとしてスタート。

彼女はとても破天荒なキャラクターの持ち主で、さらに生地デザインに対してもこだわりとビジョンを持っていました。

そこで思いついたのは才能ある有望なデザイナーを集め、これまでとは違う大胆な柄での自由なデザインを依頼し、これらの斬新なデザインの生地をどうやって使えば良いのか知ってもらうため、ファッションショーを開催することでした。

1951年5月、初めてのショーをヘルシンキで開催します。当時、人気ファッションデザイナーだったリーッタ・インモネンにデザインを依頼した服を披露するなど、ショーは大成功。

観客はモデルが着ている服に虜となり、それはすぐに完売ししまうほどでした。

その数日後、アルミは個人向けにファブリック会社を立ち上げます。それが「Marimekko」(マリメッコ)の誕生でした。

Marimekkoとはフィンランド語で「小さなMariのための服」を意味があリます。しかし実はこの「Mari」、置き換えるとアルミの名前であるArmiともなるのです。

隠れたアイデアを感じさせるオシャレなネーミングですね。

この翌年に、最初の直営ショップがヘルシンキにオープンしています。

1956年には海外への輸出も開始し、世界中に知られていきました。

1960年にアメリカ大統領候補のジョン・F・ケネディ夫人のジャクリーン・ケネディがマリメッコの服を1回の買い物で計7着を購入し、そのひとつを着用した姿が雑誌スポーツ・イラストレーティド誌の表紙を飾ったのが話題のきっかけとなり、アメリカでも知名度が上昇、たちまち世界的なブランドとして広がっていきました。

マリメッコ店舗

Unikko(ウニッコ)を生んだマイヤ・イソラ

プリンテックス当時、最初の作品のひとつにもなったのはテキスタルデザイナーのマイヤ・イソラが旅先での美術館で見た古い器や壷をモチーフにした「Amfora」(アムフォーラ)というデザインになります。

マイヤはヘルシンキから60キロほど離れたアロランミという自然豊かな美しい村に生まれ、そこで幼少期を過ごしました。

しかしアルミはマリメッコで、「花」をモチーフにしたプリントデザインを禁止していました。

それは、「花はそのままで十分美しく、装飾モチーフとしての花は、野に咲く花には叶わない」という理由からでした。が、しかし、マイヤは自由を愛し、幼少期に過ごした頃の大好きな自然を思い、たくさんの花を描いていったのです。

マイヤ・イソラは1987年に引退するまでテキスタイルデザイナーとして40年間にわたり500以上もの作品をマリメッコに提供し続けました。 1964年に、ケシの花をモチーフにして生まれたウニッコ(Unikko)は2000年移行、再びブームとなり、今日ではマリメッコにとって欠かせない存在となっています。

され続けるマリメッコ

1970年代には事業を拡大し成長を成し遂げますが、創業者のアルミが1979年に死去すると10年ほど試行錯誤が続き、1985年にはフィンランドにある企業、アメア・グループに売却されます。しかしその後、1991年にキルスティ・パーッカネン が再び買収、企業も当時の明るさを取り戻すことができ、そこからは積極的に新しいデザイナーを起用していきました。もちろん若いデザイナーにも注目していき、現在ではテキスタイルデザインごとにデザイナーがおり、日本人デザイナーも活躍しています。

2010年代に入ると、マリメッコの国際化が加速し、世界中でのマリメッコの店舗数は一気に倍以上ともなり、ニューヨークとシドニーにもマリメッコの旗艦店がオープンしていきました。

数年前からフィンエアー(フィンランド航空)でマリメッコのデザインを採用。航空機の機体やテーブルウェア、テキスタイルまで幅広くマリメッコ の伝統的なデザインが使われ、フィンエアーのサービスにも統一感を感じさせてくれる重要な役割を果たしています。

長距離路線ビジネスクラスやエコノミーコンフォートではMarimekko for Finnarコレクション特製アメニティキットなども用意されているのも魅力ですね。

現在、マリメッコ本社には、大きなショールームとファクトリーショップなどがあり、プリント工場も見学することができルようになっています。また社員食堂のmaritori(マリトリ)では一般の人でもランチを楽しむことができることで観光客にもとても人気があります。もちろん使われている食器などもすべてマリメッコ。自分で好きなデザインの食器を選んで食事を盛り付けることができるのも楽しさのひとつ。デザインだけではなく料理もとてもヘルシーなオーガニック料理が並んでいるのも人気のひとつですね。

2019年4月にはリニューアルオープンしています。この写真はリニューアル前のものになります。

マリトリ

創立当初から、アルミ・ラティアはマリメッコのビジョンをこう語っています。「マリメッコが売っているのは単なる洋服ではありません。ライフスタイルそのものなのです」

現在ではファブリックだけではなく、キッチンマテリアルやバッグなど世代を超えた様々なライフスタイルに寄り添っているマリメッコ。

フィンランドでは、祖父母から父母へそして子供達へとインテリアテキスタイルから洋服に至るまで、受け継がれるものとなりました。

そして多くのデザイナーが次々と定番デザインを生み出し、世界的企業とのコラボも見られるようになり、人々の心を豊かにするそのデザインはフィンランドでももちろん、世界中に愛される存在にも大きく成長しました。

このオリジナリティとこの想いが人々の心にずっと受け継がれ続けていくということに繋がっているのだと思えるのです。

マリメッコ

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Marimekko公式HP
https://www.marimekko.com/com_en/

 

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