デンマークといえば、幸福度の高い国のランキングでも毎年上位に位置していることでも有名な国ですが、その背後には特有のライフスタイルと住宅建築の要素も存在していると考えられています。
また、北欧の国々では、社会的な平等性、健康とウェルネス、ワークライフバランス、持続可能性への取り組みなどが幸福度向上の要因ともなっています。
デンマークの幸福度の高さに影響を与えているこれらの要素と、住宅建築における特徴について、詳しくお伝えしていきたいと思います。
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社会的な平等性と幸福度
デンマークとして特徴でも挙げられるのは、社会的な平等性を重視する社会システムが確立されているところかと思います。
収入格差が小さく、教育や医療サービスなどの基本的な公共サービスへのアクセスが広く普及しています。
これにより、住民は安定した環境で暮らすことができ、社会的な不平等感が少なくなります。また、低所得者や弱者の支援が充実しているため、誰もが安心して生活を送ることができるのが魅力のひとつです。社会的な結束と信頼関係が高いことが、デンマークの幸福度を高める要因になっています。
また、その平等性のある考え方には作家のアクセル・サンデムーセが1933年に書いた小説「A Fugitive Crosses His Tracks」の中に出てくる10カ条のルール「ヤンテの掟」が少なからず、関わっているとも思えます。
ヤンテの掟
1:自分は特別な存在だと思ってはならない
2:自分は人と同様に有能だと思ってはならない
3:自分は人より賢いと思ってはならない
4:自分が人より優れているとうぬぼれてはならない
5:自分が人より物知りだと思ってはならない
6:自分が人より重要だと思ってはならない
7:自分が人より何かに秀でていると思ってはならない
8:私たちは人を笑ってはならない
9:自分が誰かに助けてもらえると思ってはならない
10:自分は人に何でも教えられると思ってはならない
きっと、このみんなで分け合うという考え方こそが、幸福度に繋がっているとも考えられるのだと思います。
健康とウェルネスの重要性
デンマークは健康とウェルネスに対する取り組みが進んでいます。公共医療制度が整備されており、住民は無料または低料金で医療サービスを受けることができます。また予防医療にも力を入れており、健康的なライフスタイルをサポートする環境が整備されています。
また健康につながるものとして、自転車文化が盛んであるということも挙げられます。移動手段として自転車を利用することで、住民は積極的に運動を取り入れることができます。
その他にも、自然との触れ合いを大切にする文化があり、フリータイムを自然や公園で過ごすことが奨励されています。
ワークライフバランスの重視
デンマークでは、仕事とプライベートのバランスを重視する文化が根付いています。
労働時間が比較的短く、長期的な休暇を取ることが一般的で、これにより、仕事によるストレスを軽減し、家族や友人との時間を大切にすることができます。
労働者の権利が保護され、働きすぎを防ぐ仕組みが確立されているため、生活の質が向上し、心身の健康にもプラスの影響を与えています。
持続可能性と環境への取り組み
デンマークは環境への意識が高く、持続可能な社会の構築に力を入れています。
北欧の国々ではSDGsについてもかなり以前からその考え方は進んでおり、再生可能エネルギーの利用や廃棄物リサイクルの推進、公共交通機関の整備など、環境に配慮した取り組みも行われています。
それはもちろん、住宅建築においても、エネルギー効率の高い家屋が普及しており、住民がエコロジカルな生活を送ることができることにもつながっていきます。
自然環境を保護し、未来の世代に良い地球を残すことを意識した行動が、住民の幸福感に寄与していると言えるのです。
デンマークの住宅建築の特徴
デンマークの住宅建築は、機能性とデザイン性を重視した特徴的なスタイルがあります。
木材を活用した自然素材の使用や明るいカラーパレットの採用など、北欧インテリアで特徴的でもある居住空間が快適で心地よい雰囲気を持つことが重要になっています。
また、コンパクトな家屋や質素な生活を好む人も多く、ミニマリズムの要素なども見られます。その代わりに庭を広く持ち、アウトドアリビングなども楽しむとも計画の一部として有意義な時間を過ごすことも視野に入れ、自然との一体感を重視した設計や、自宅で自家菜園を楽しむ文化など、環境との調和を大切にするアプローチが一般的でもあります。
自邸以外にも別荘として自然の中にサマーハウスとして持つこともあり、週末やバカンスはゆっくりと自然豊富な環境で家族や友人とゆっくり過ごすという人も多くいます。
デンマークの幸福度の高さは、社会的な平等性、健康とウェルネス、ワークライフバランス、持続可能性への取り組みなど、さまざまな要素が相まって形成されています。社会全体が幸福度向上に向けて取り組んでおり、住民の生活や幸福に対する意識も高いことが、デンマークの成功に繋がっています。
そのようなライフスタイルと社会の背景を反映した住宅建築も、デンマークの幸福度に一役買っています。
これまでの内容を踏まえると、デンマークの住宅建築は、以下のような特徴を持ち合わせていると言えます。
ハイジェネリックな環境
デンマークの住宅は清潔さを重視し、高い衛生基準を満たすよう設計されています。
キッチンやバスルームなど、特に衛生的に重要なスペースは機能的に配置され、使いやすさと清潔さが両立しています。これは住民の健康と快適性を確保するための重要な要素です。
自然素材の活用
デンマークの住宅建築では、自然素材の使用が一般的です。木材や石材などの天然素材が多く使われ、自然の温もりを感じられる居住空間が生み出されています。自然素材の使用は、居住者に心地よさと安らぎを提供し、ストレスを軽減する助けになっています。
ミニマリズムとコンパクトなデザイン
デンマークの住宅は、ミニマリズムとコンパクトなデザインを重視しています。無駄を省いたシンプルな間取りや家具の配置は、スペースを効率的に使い、使い勝手の良い居住環境を提供します。質素な生活を好むデンマークの文化に合致しています。
自然との調和
デンマークは自然環境に恵まれており、住宅建築も自然との調和を重視しています。大きな窓やテラス、庭園などが住宅に組み込まれ、自然を身近に感じられるようになっています。
自然との一体感は住民のストレスを軽減し、心の豊かさを促進します。
エネルギー効率と持続可能性
デンマークの住宅建築は、エネルギー効率の向上と持続可能性にも配慮しています。
断熱性能の高い建材や再生可能エネルギーの利用など、エコロジカルなアプローチが進んでいます。これにより、住民はエネルギーコストを削減し、環境への負荷を軽減することができます。
まとめ
デンマークの幸福度の高さは、社会的な要素と住宅建築の特徴が相互に補完し合って成り立っています。
社会全体が幸福を追求し、健康、環境、仕事、家庭など様々な要素がバランス良く調和していることが、デンマークの幸福度の秘訣と言えるでしょう。このようなデンマークの経験は、他の国々にも幸福度の向上への示唆を与えるものとなるかもしれません。
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