最近、インテリアなどでも人気が出てきたセラミックタイル。キッチンやユーティリティなどの水回りでは水に強い壁面パネルやクロス仕上げなどを見かけることが増えています。アメリカやヨーロッパなどでは昔からキッチンの壁面に貼るバックスプラッシュなどタイルを貼ることが主流で、デザインもそれぞれ個性を出すこともでき、インテリアアクセントとしても楽しまれています。
では今回はタイルの特徴や種類、人気の貼り方デザインなどご紹介していきます。
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そもそもタイルとは?
タイルは英語では『tile』と書き、その語源はラテン語で物を覆うという意味を持つ『tegula(テグラ)』と言われています。
今から約4700年前の古代エジプトでピラミッドの地下通路の壁に貼られていた水色のタイルが最も古いと言われています。表面は宝石のように綺麗な水色で、当時は高貴な装飾としても使用されていました。
タイルは建物と共に進化し、現在はキッチンなど住宅の壁面やポーチ床などからビルの外壁などタイルは幅広い場所で使用され、インテリアデザインとしても欠かせないアイテムになっています。
みなさんも磁器質・せっ器質・陶器質という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、以前はその特質によりその3種類にわかれていました。しかしJISの改訂により最近では強制吸水率による分類と成形方法による分類の組み合わせによる6つの分類に変更になりました。
下記の基準で見ると吸水率の測定方法が違うので、厳密には言い難いですが、これまでの磁器質はⅠ類、せっ器質はⅡ類、陶器質はⅢ類に相当されるとも言えます。
Ⅰ類:吸水率がかなり少ないので、内外共に全般的に使用されることが多いタイル。雨がかかる場所や水回りなどにも強いので、床タイルなどにも採用されることが多い。
Ⅱ類:主に内装壁面用、外部になると壁面ブリックなどに使われることが多いタイル。土やレンガのような表情を持つものが多くあります。
Ⅲ類:内装壁面で使われます。発色も良く、艶やかで様々なカラーが多いのが魅力的なタイル。
また釉薬を表面塗ることによりタイルの表情も変わってきます。
施釉タイル:タイル表面に釉薬を施し、焼成されることでそれがガラス化され、色や艶、模様など美しく表情を生み出します。
無釉タイル:釉薬を使わずにタイル素地のまま、表面を仕上げたもの。粘土全体に色を混ぜ混み、色を出しているものもあります。
この他にタイルの形状の種類やタイルとタイルの間の隙間を埋める目地のカラーとその割り付けにより、作ることができるデザインも様々。個性を生かしたデザインを作ることができるのがとても魅力的です。
最新インテリアのタイルデザイン
タイルのその貼り方は最近では種類も豊富で、そのデザインがインテリアのアクセントにもなります。欧米やヨーロッパではキッチンの壁面に使われるバックスプラッシュなどに使用されることも多く、タイルの特性を活かしながらもインテリアデザインを作る上でも特徴的なスペースを生み出すことができます。
サブウェイタイルのデザイン
ここ数年、定番で流行っているのがサブウェイタイル。メトロタイルとも呼ばれることもあり、アメリカのニューヨークやフランスのパリにある地下鉄のホームの内装壁などに貼られているタイルのスタイル。
シンプルなデザインでありながら、長年親しまれてきたトラディショナルデザインで正方形のタイプもありますが、人気なのはこの横長のタイルを交互に馬貼りするデザイン。また四方を面取りされたタイルなどはかっこよさで揃えるインテリアにもマッチします。
また最近ではサブウェイタイルをヘリンボーンスタイルで仕上げるデザインも増えてきており、そのリズム感で洗練されたデザインにコーディネートすることもできます。様々なパターンを試してみるのも雰囲気を楽しめるアイデアのひとつになります。
石目調タイルのデザイン
これも定番のデザインですが、大判の石目調タイルはシックなデザインのインテリアに仕上げることができます。
ビルなどの内外壁などでも使用されることが多い石目調のタイルですが、近年、住宅でもシャワールームやパウダールーム、キッチンなどで見られることが増えました。
大理石調や砂岩調のタイルは落ち着きのあるモダンな雰囲気に仕上がります。また素材感のある木質やステンレス素材などの異素材と組み合わせるとより全体的に調和のとれた空間を作り出すこともできます。
凹凸感のある石目調のタイルを使ったアクセントウォールはビニールクロスなどでは表現できない素材感があり、また間接照明などを組み合わせることで陰影なども表現することができます。
その他のタイルデザイン
最近はタイルの製造過程の技術も向上し、形状やデザインなども増え、多角形のものや丸型のもの、表面のデザインも幾何学デザインや多くデザインが施されているものなど、様々な種類のものが多く作られるようになりました。
デザインタイルは全体で使用するよりもインテリアの一部として使うことで、バランスも取りやすく、よりデザインとしての視覚効果として発揮されます。
タイルを楽しむ
様々なデザインが増えてきているタイルの世界。価格が若干高いイメージもあり、一部の耐水の機能面やメンテナンスなどの面でのみ使用されることも多かったですが、最近ではその特性を活かしながらデザインできるものも多く、店舗や住宅の建築にも採用の場が増えてきました。
艶感のあるタイルは光の反射も美しいのでそれを楽しんでみるのもいいですね!
インテリアをコーディネートする際に素材のひとつとして、ぜひ候補に挙げてみては?
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