シアトルで誕生してから約50年。今では世界中で愛され2万店を超える店舗数にまでとなった『STARBUCKS COFFEE(スターバックスコーヒー)』
みなさんも一度は行ったことがあるのではないでしょうか?
私もアイデアに詰まった時や気分転換をしたい時にはよく立ち寄ってしまいます。
その惹きつけられる人気はどのようなところからくるのでしょう?選ばれる理由をじっくり探っていきます。
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STARBUCKS COFFEEの始まり
『STARBUCKS COFFEE』は1971年、アメリカのワシントン州シアトルで当時はコーヒー焙煎の会社として開業したことが始まりでした。
今のCEO(2019年現在)でもあるハワード・シュルツは1981年に小売・マーケティング部門の役員としてスターバックス・コーヒーに入社します。
しかし彼はその後、スターバックス社を一度退社し、かつて出張先のイタリア、ミラノでのエスプレッソの人気の高さに感銘を受けたことから、シアトルで同様の可能性を感じ、コーヒーチェーン「イル・ジョナーレ」社を設立します。そこではスターバックスコーヒーの豆を使ったコーヒーとエスプレッソを主体とした販売をスタートさせたのです。
そして1987年には、彼はスターバックス社の資産を買収し、イル・ジョナーレの社名をスターバックス社に改称します。当時のアメリカではイタリア文化がブームになっていました。店の形態もイタリア式エスプレッソを主体としていたこともあり、人気となっていきました。
その後、スターバックス はこのスタイルがシアトル系スタイルとして定着していき、今日では世界で展開する誰もが知るコーヒー店チェーンと拡大しています。
STARBUCKSの名前とロゴの秘密
『スターバックス』という名前の由来は、小説『白鯨』に関係したものということはご存知でしょうか?
実は最初に名前の候補で上がったのが、創業メンバーが好きだった、そのハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』に登場する捕鯨船ピークォド号(Pequod)の方でした。
しかし、これはpee(小便) quod(刑務所)に聞こえてしまうことから却下となり、結果、次の候補にあった同じ小説に登場するスターバック一等航海士(Starbuck)とシアトルの南西部に位置するレーニア山にあった鉱石採掘場スターボ(Starbo)から『Starbucks(スターバックス )』と名付けられたと言われています。
スターバックスのカップなどにも使われているロゴのその中央に描かれている女性のような姿の絵。実はこれ、セイレーンというギリシャ神話の中で、上半身が人間の女性ですが、下半身はなんと鳥の姿(後世では魚の姿)の海の怪物をイメージ。
この怪物は航路上の岩礁から美しい歌声で航海中の人を魅惑させ、遭難や難破に遭わせてしまうという伝説があります。
そのサイレーンがロゴに採用された理由には、人々を魅了して海へ引き込んだようにお店へ人々を引き込みたいという期待が込め入られているのだそう。まさに今のスターバックス を想像していたかのようですね!
世界の絵画でも古くからセイレーンを描かれた作品は多く残されていますが、スターバックスのロゴのデザインの元となったのは創業時のスタッフが見つけた15世紀にノルウェーで製作された木版画に描かれたサイレーンだったそうです。
スターバックのロゴは数年かけて微妙に少しずつ変化し続けており、そのシンボルのセイレーンの姿も一緒に変化を繰り返しています。今のロゴのサイレーンの姿は怪物どころかとても愛らしく感じます。
STARBUCKS COFFEEが選ばれる理由
さて、それでは何故ここに人が集まるのでしょう?考えられるその理由を何点か挙げていきます。
1: Free wifiが整備されている
最近ではオフィス以外の場所でノートパソコンやタブレットを持ち込んで仕事をするノマドワーカーの働き方が注目を浴びています。
そんな中でFree wifiの環境が整っていて、コーヒーを飲みながらカッコイイ空間で仕事ができるそんな場所として、まずここスターバックスが最初に思い浮かぶ人も多いはず。
会社ではなかなか膨らまないイメージもこの落ち着く空間ではアイデアを生み出すことを手助けしてくれるのです。これって仕事する上ではかなり重要な要素かなと思います。
2: ソファなどの家具や照明で空間演出
スターバックスは一人で来られるお客様や数人で来られるお客様が同じ空間でも楽しめるような家具の配置になっています。
カウンター席、大きなテーブルとチェア、ソファ席など、それぞれがその人の求める時間を多様に楽しむことができる空間になっていて、照明もシンプルなデザインのペンダント照明を使ったり、天井の形状を折り上げ天井にし、そこに間接照明を配置したりするなどで工夫された演出をしているのです。
さらに床や壁面に木材などの天然素材やアースカラーを使用するなどして落ち着く空間をトータルデザインで作り上げているのもリピートしたくなるポイントですね!
3: 通りに面して配置されたテラス席
街の真ん中にあるスターバックス でもオープンなテラス席のスペースを設けられているのを見かけませんか?
実はこれはスターバックスのこだわりで、店内は全面禁煙になっている分、テラス席では喫煙ができるような配慮でもあるのです。また天気の良い日は太陽の光を浴びながらまったりコーヒーの時間を楽しむことができるのもいいですね。
4: 心温まる接客
そして何と言ってもコーヒーと共にある心温まる接客にあるかと思います。
スタッフのみなさんがいつも明るく生き生きと働く姿が印象的で、このフレンドリーな対応が心地の良さを感じさせてくれるのです。
STARBUCKS RESERVE ROASTERY
2019年2月に日本で初めての出店となる『スターバックス リザーブ ロースタリー 東京』が誕生しました。
「リザーブ:reserve」とは、スターバックスの中でもっとも希少なコーヒー豆でプレミアムクラスの豆を指し、「ロースタリー:roastery」とは焙煎所という意味を示しています。
その名の通り、店内には見上げるほどの巨大な焙煎機も設置されており、焙煎されたばかりの貴重な豆で最高のコーヒー体験を味わうことが出来ます。さらに知識豊富なバリスタが最高の一杯を提供、他にもイタリア発のパンやスィーツ、限定メニューなどが楽しめます。
この東京の店舗の外観の設計は世界的建築家でもある隈研吾、内装はスターバックスチーフデザイナーオフィサーのリズ・ミューラーが手掛けています。
隈研吾が日本のスターバックスを設計するのはここが2店舗目。細部のこだわりが感じられるデザインが効いていて建物そのものにも、魅力溢れる店舗になっています。
まず1階はメインバーになっており、ここでしか味わえない100種類以上のビバレッジなどを用意されています。そして2階はハーブティなどの紅茶が揃う「ティバーナ バー」、3階にはカクテルバーとなる「アリビアーモ バー」、4階はイベントなども行えて、人々が繋がり対話ができるスペース「AMUインスピレーションラウンジ」があるなど、各階それぞれ工夫されており、この建物はまるでテーマパーク!
コーヒーを味わうことはもちろん、スターバックスの歴史と共に体感しながら楽しむことができます。
フロアの中央は吹き抜けになっていて、そこには高さ約17mにもなる剛板のカッパーキャスクと呼ばれる銅製の焙煎設備が配置され、表面には桜の花びらが施されています。この迫力と木の優しい素材がうまくマッチしていてシャープで重厚感ある中に美味しいコーヒーの香り漂う落ち着く空間までデザインされているのだと感じることができます。
愛されるSTARBUCKS COFFEE
To inspire and nurture the human spirit – one person, one cup and one neighborhood at a time
人々の心を豊かで活力あるものにするために—
ひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから
これがスターバックスの理念として掲げている言葉です。
コンセプトでもある第3の場所「サードプレイス」それはただコーヒーを販売するだけではなく、心地よい空間や環境がプラスされることで、思わず通いたくなってしまう場所となり、愛され続けているということだと思います。
この歴史や理念などを知りながら訪れてみると、もしかすると、さらに違う目線で美味しいコーヒーが味わえるかも?
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