フィンランドで
巡りたい学びの場!
建築も美しい図書館たち

Finland,,Helsinki,-,August,27th,2019:,Oodi,Library,In,Helsiniki

最近ではインターネットも普及し、書籍もタブレットなどで読むことができるようになり、調べ物もすぐにインターネットで検索できる世の中になってきたことで、本と触れ合うことも減ってしまっている今日でも、図書館という場所は暮らしの中で変わらず人々にとって大切な場となっています。

フィンランドも含め、北欧の教育については世界的に見ても、多くの関心を寄せられており、その中でもフィンランドの教育方針には特に注目が集められています。

フィンランドに数多くある図書館は学びの場でもあり、その利用率は世界でもなんとトップクラス。国の国家戦略として生涯学習ということをテーマに掲げ、すべての国民が学べる環境を整えることにも力を注いでいます。

またフィンランドの人口は約550万人で北海道とほぼ同じでありながら、その人口に対して年間になんと約6800万冊の本が図書館で貸し出されていると言われています。

そして図書館のその建築デザインが美しいのも国民から愛され続ける理由の一つ。その中でも観光としても人気がある素敵な図書館を厳選して、その建築についてや特徴などについてご紹介していきます。

オーディ・ヘルシンキ中央図書館

2018年12月にオープンし翌年の2019年に国際図書連盟主催の「公共図書館アワード」を受賞したオーディ・ヘルシンキ中央図書館(フィンランド語:Oodi Helsingin keskustakirjasto・英語:Oodi Helsinki Central Library)

ここは独立100周年記念に国から国民への贈り物として建てられた図書館で、この「オーディ」という名前にはフィンランド語で古代ギリシア劇で歌われる神の栄光や人々の功績などをたたえる賛歌である「頌歌」という意味があります。

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『Oodi』Helsinki Central Library Photo : Kuvio

外観はまるで波のような美しい曲線を表現していながら、シンプルなスマートさも感じられるとてもユニークなデザイン。

ガラスや鋼など無機質な素材での構造になっているところに、自然な素材のイメージある木をファサードにした組み合わせも印象的です。

また、建物の外観と1F の天井はトウヒ(唐檜)、2Fには白樺、3Fにはオーク(ナラ材)、テラスにはアカマツ(赤松)など、木材も様々な樹種が使われています。

さらに窓際テラス席は目の前の国会議事堂と同じ高さになるように計算し設計されており、これは国民と政府が同じ目線であることを意味しているのだそう。

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『Oodi』Helsinki Central Library Photo : Kuvio
ALA Architects 20181120 Helsinki Central Library Oodi
『Oodi』Helsinki Central Library Photo: Tuomas Uusheimo

「すべての人へ」というコンセプトを掲げ、本を借りる以外にも映画館やゲーミングスペース、スタジオ設備、コミュニティスペース、レストランなどスペースが完備されて、すべての人が誰とでも自由に利用ができる場所になっている「市民のリビングルーム」を目指して作られており、これからの次世代に向けた図書館のあり方とも言えると思います。


オーディ・ヘルシンキ中央図書館(Oodi Helsinki Central Library) 公式サイト
https://www.oodihelsinki.fi/en/

 

フィンランド国立図書館

フィンランド国立美術館
National Library of Finland

 

ヘルシンキ大聖堂のすぐ西側に見えるのが、このフィンランド国立図書館(フィンランド語:Kansalliskirjasto・英語:National Library of Finland)。

設計はヘルシンキ大聖堂やヘルシンキ市庁舎なども行ったカール・ルドヴィク・エンゲルで、1840年に完成したフィンランドで最も歴史のある学術図書館。外観は古代建築を感じられる造りで、この建築はローマ時代の浴場に影響を受けたとも言われています。

内観も並ぶ柱とシンメトリーの空間がまるで宮殿のような造りで広がっており、その雰囲気に圧巻。壁面にびっしりとある書棚と天井画のあるドームには印象的な空間が広がります。

フィンランドが独立後の1919年から当時はヘルシンキ大学図書館として知られていましたが、2006年にフィンランド国立図書館と改名されました。

フィンランドの文化遺産など重要資料が保管されている図書館で研究者の方が仕事のために利用する図書館なので、無料で入れることはできますが、基本、館内では静かに周るように心掛ける必要があります。

 

フィンランド国立図書館
National Library of Finland

吹き抜けのある空間には天井から自然光が差し込み、各階のフロアを見渡すことができる建築デザインは引き込まれるものがあります。


フィンランド国立図書館(National Library of Finland) 公式サイト
https://www.kansalliskirjasto.fi/fi

 

ヘルシンキ大学図書館

2008年にコンペを行い、ヘルシンキの設計事務所「アンティネン・オイヴァ・アーキテクツ(Anttinen Oiva Architects)」が選ばれ、2012年にヘルシンキ大学の施設が並ぶ一角に建てられたのがこのヘルシンキ大学中央図書館(フィンランド語:Helsingin yliopiston kirjasto・英語:Helsinki University Library)

Helsinki University Library, Facade Photo:Veikko Somerpuro

外観は規則的に綺麗に並んだ正方形の窓とレンガ造りで重厚なイメージがとある中、内観は白をベースとし、自然光が広がり開放的な空間を作り出しています。

Helsinki University City Centre Campus Library in Finland by AOA architects.
Helsinki University City Centre Campus Library Photo : Tuomas Uusheimo
Helsinki University Library
Helsinki University Library Photo : Mika Huisman

内観で特徴的なのは楕円型をした吹き抜けと天窓。そして重厚感のある外観とは対照的な白く爽やかな空間に自然の光が綺麗に差し込んできます。

そして正方形の窓を活かしたスペースもポップでモダンな家具を合わせて、シンプルデザイン的な明るい空間に。

また、曲線が綺麗に天井まで伸びている螺旋階段もあり、それも美しい建築デザインの一部となっています。

図書スペース以外にも学習できるようなパブリックスペースも用意されており、学生以外の一般の方も利用することができます。


ヘルシンキ大学(Helsinki University Library) 公式サイト
https://www.helsinki.fi/fi

 

まとめ

フィンランドの観光として図書館を巡ることはなかなか少ないかと思いますが、実は見どころがたくさんあるスポットでもあります。

今回はこちらの3つの図書館をご紹介させて頂きましたが、フィンランドには他にも美しい図書館がたくさんあります。

本が好きな方はもちろん、建築デザインにも興味のある方はぜひ立ち寄ってみるのもおススメです。

フィンランドの歴史やこの学びについての考え方なども一緒に知ることで、より一層、深みが増す観光を楽しめるのも魅力のひとつです。

 

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